行かなくても大丈夫ですが、ソフトを持っていない人は通った方が良いです
WEBデザイナーを目指している方の中には、「スクールに通った方が良いだろうか」であるとか、「スクールに行かないとWEBデザイナーになれない」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。
独学では、どこから学べばよいか分からないといった事もあるでしょうし、効率よく技術を習得したいという思いもあるでしょう。
あるいは、モチベーションを維持するために、共に学ぶ仲間が欲しいといった考えもあるかもしれません。
私自身、WEBデザイナーとして働く前に、約1年間WEBデザインのスクールに通っていた事があります。
その上で結論を先に述べますと、別に行かなくても大丈夫です。
費用の面で通えるのであれば行っても良いでしょうが、通わないからといってWEBデザイナーになれない、なんていう事はないです。
当時、WEBデザイナーを目指して勉強していた私は、「スクールに行かないとWEBデザイナーになれない」と考えていました。
美術系の学校を卒業している訳でもなかった私は、何か「学歴」があれば就職の近道になると考えていました。
履歴書に「○○デザインスクール修了」と書くことが出来たら、WEBデザイン業界の扉が開かれる、という思いでした。
加えて、スクールに通えば、門外不出の知識が得られるのかも、といった考えも抱いていました💦
デザインにはある種「秘密の奥義」のようなものがあり、それを教えてもらえる、なんて印象を持っていました。
そして、こうした思いを胸にスクールに通ってみましたが、実際には上記のようなことは全くなかったです😅
全く就職では有利にならず、門外不出の奥義も伝授されませんでした💦
では、授業料など全くお金のムダであったかと言えば、そういう訳でもないというのが事実です。
実を言えば、むしろスクールには感謝している位なのです。
冒頭に「行かなくても大丈夫」と書いておきながら何ですが、どのような点で感謝しているかと言いますと、
自習スペースで、ソフトを使えるだけ使えた
この一点に尽きます。
当時からPhotoshop/Illustrator/Dreamweaverといったソフトは非常に高価で、その頃の私にはまるで買い揃えられない代物でした。
そのため、私にとってソフトに触れられる機会はスクールしかなかったのです。
特に自習スペースは大変有難く、足しげく通って、作品づくりをしていました。
なので、スクールに行かなくてもWEBデザイナーになれますが、ソフトを持っていない人にはスクールはおすすめです。
スクールに行くべきか、という問いに対しては、ひとまず私としてはこんなスタンスでしょうか。
では、「スクールに行かなくても大丈夫」という理由を以下に掘り下げてみます。
スクールに行かなくても大丈夫という理由
ソフト操作の授業がメインで、考え方などは身につかない場合が多い
私が通っていたスクールでの話になりますが、PhotoshopやIllustratorの操作を紹介するような授業ばかりでした。
「このフィルタを使うと、このように変化します」といったようなイメージでしょうか。
巷にある教本などで勉強できるレベルですし、教えてもらうまでもなく実際に自分で試せばよい内容です。
スクールによっては、もう少しデザインの考え方なども授業にあるのかもしれませんが、全てのスクールでは対応していないというのが実感です。
スクールは、とにかく受講させる事に一心である
スクールも非営利の組織ではなく、実際に売り上げを取っていかなければなりません。
特に営業のスタッフになりますと、本人の意向あるいは実際のニーズなど関係なしに、コースやカリキュラムを勧めてくる人たちもいます。
20年位前のWEBデザインスクールの広告でしたが、「まずはPhotoshop/Illustrator/Dreamweaverをマスター!次は、GoLive/Fireworksに挑戦だ!」などという謳い文句がありました。
一昔前のアプリケーションも入っているので、ある程度の年齢の方しか分からないかもしれませんが、はっきり言って挑戦する必要ないです😅
DreamweaverとGoLiveは、ほぼ同じツールですが、「ウチはGoLiveも使えないと雇わん!」なんて会社はまずないです。
同じようなソフトを多種使える事が、就職に有利な条件になることはあまりないと思います。
あと私の経験ですが、PC自体の知識に疎かったので、「ハードウェア基礎」のような講座の話を訊きにあるスクールに行った時の話です。
「WEBデザイナーをされているんですか!だったらこんな『ハードウェア基礎』なんかより、こうしたコースがおすすめですよ!」
営業スタッフが出してきたのはエンジニア系のコース。
「ゆくゆくは、データベースエンジニアを目指されて・・・」
悪いですが途中でこの人の話、遮りました;
何故、PCの知識を得ようとしたWEBデザイナーが、データベースエンジニアを目指さなければならないのか。。。
かなり昔の話ですが、いまだに謎です😅
ちょっと例が長くなりましたが、スクール側も利益を上げなければならない。
受講生がWEBデザイナーとして働ける事を心から願っているスタッフもいれば、そうでないスタッフがいるのも確かです。
受講料目当てに、時に本人に必要のないような講座を勧めてくることもあります。
相手もあくまでビジネスなので、こちら側もその意識を持つ必要があるでしょう。
講師のレベルがそこまで高いとは思えない
これはちょっと角が立つ内容かもしれません;
当時私が通っていたスクールでも、そんなに「スゴイ」と思える講師の方はいませんでした(失礼💦)。
スクール講師に向いている人というのは、技術レベルの高さより、人当たりの良さなどが求められている印象です。
教えている人より、現場でバリバリ働いている人の方が、制作の感覚が研ぎ澄まされているように感じています(その分性格がキツかったりする事もありますが😅)。
生きた教材は生活の身の回りにあふれている
デザインを学ぶとすれば、日々さまざまな物が教材です。
ポストに投函されるチラシ、お店のメニューや看板、駅のポスターや公園の注意書きetc。
そのまま通り過ぎてしまいがちですが、意識を向けて見ますとデザインのヒントが詰まっています。
WEBサイトのデザインを見るのも良いですし、何よりソースコードが見られるので、コーディングの勉強にもなります。
アプリケーション習得も大事ですが、デザインの考え方や、実務で使えるコーディングルールなどは、スクールの場でなくても学ぶ事ができます。
もしスクールに通うならば、押させておきたいポイント
スクールに行かなくても大丈夫、という理由を前章で挙げてきましたが、もしスクールに通うと決めた場合には、以下のような点を考慮すると良いでしょう。
自習スペースを使いまくる
特にソフトを自宅に持っていない方であれば、スクールの施設を最大限に有効活用しましょう。
おそらく大体のスクールでも、自習スペースが用意されているかと思います。
基本、スクールの授業料は安くないものです。
しっかり元を取るつもりで利用するのが◎です。
仲間を作ろう
スクールによっては、人脈が作りやすい所をもあるかと思います。
私のスクールにもOB会みたいなのがあって、勉強会や懇親会などに足を運んでいたものです。
特に同じ時期に共に目標に進んでいる仲間というのは、学生や社会人に関わらず貴重なものです。
あれこれ聞くなら、非常勤っぽい講師を狙おう
前述しましたが、もしかするとスクール講師の方は、技術や知識のレベルがそこまで高いとは言えないかもしれません。
もし授業で教わるレベル以上の内容が訊きたかったり、「実際、現場ではどうしてるのか?」などと聞きたい場合は、あまり「講師講師していない人」を当たってみるのもポイントです。
要は専任ではなく、非常勤(っぽい)の講師の方を探してみるのです。
人員や人件費などの関係もあるでしょうか、どこのスクールでも一定数、非常勤の講師が在籍しているかと思います。
あまり講師としての研修を受けている感じのしない、言ってみれば「ユルい」印象を持っているのが特徴と言いましょうか。
私自身も、そうした講師の方に教えていただいた経験があります。
他の講師がみなネクタイをしていたのですが、この人だけラフな格好。
あまり笑顔もない、朴訥な感じの方でしたが、かと言ってぶっきらぼうという訳でもなく。
「実務だと、もっとこういう風にしてますよ」とさり気なく教えてくれる方でした🙂
私のスクール時代
まとめとして、私のスクール時代の話を少し。
当時、貧乏社会人だった私。
美大や専門学校で学んだ訳でもない私が本当にWEBデザイナーになれるのだろうか、と不安を抱えながら勉強していた日々を思い出します。
15万円の「WEBデザイナー初級コース」をローンを組んで受講していました。
主に休日に通っていましたが、たまに仕事帰りの時間も利用していました。
疲れていたのでしょう。
暖かい教室でつい眠ってしまい、手に持っていたペンが地面に落ちた音で目が覚めたりしていました😅
自分で言うのも何ですが、あの当時私ほど、スクールの自習スペースに入り浸っていた人はいないです。
自習スペースといっても、PCを使うので予約が必要なのですが、受講証を見せなくても、受付の人が予約を取ってくれるようになった程です。
当時はクラウドもなければ、大容量のUSBメモリーもありません。
十数枚のフロッピーディスクを抱え、ガシャンガシャンと次々にPCに差し替えながら、ひたすらWEBサイト制作をしていました。
自分にとって、スクール時代の一番の思い出は、そんな自習スペースでの時間だったりするのです。
siesta